血糖値変動のメカニズムを知って、肥満や糖尿病を予防・改善しましょう
血糖値は、糖尿病の方だけでなく、病気と診断されていない方にも注目してほしい数値の1つです。
ご自身の健診の結果を見直して、空腹時血糖値100mg/dl以上またはHbA1c5.6%以上の方はぜひ最後まで読んでみてください。
このページでは、血糖値に注目してほしい理由と、適正な血糖値を保つためのポイントをお伝えします。
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◆目次◆
1. 血糖値とは何か
1.血糖値とは何か
空腹時血糖値
血糖値は血液1dL中に何mgのブドウ糖が含まれているかを表しています。
空腹時血糖値は、食事の影響を受けていない血糖値のことです。
HbA1c
HbA1cは、過去1~2か月の血糖の状態を表します。
血液中のヘモグロビンというたんぱく質に、どのくらいブドウ糖が結合しているかを調べることで、血糖コントロールの状態がわかります。
健康診断を毎年受けて、ご自身の値を確認しましょう。
2.血糖値が高くなるとどうなるの?

血糖値が高いということは、単に血管内にブドウ糖が多いという意味だけでなく、それだけ血管が傷つけられていると言えます。
血糖値が高い状態が続くと、動脈硬化が進んで全身の血管がダメージを受け、様々な合併症を引き起こします。
血糖値が高くなる食習慣は、肥満や脂質の異常にもつながります。
血糖値が高くなるような生活習慣は、糖尿病にならなかったとしても、
肥満や脂質の異常など様々な病気につながります。
上がった血糖値を下げるためにインスリンが分泌されますが、インスリンは糖の取り込みだけでなく脂肪の合成を促し、脂肪肝や肥満を引き起こします。
糖尿病の合併症
糖尿病性神経障害

高血糖は、神経にも影響を及ぼします。
初期には手足のしびれや立ち上がった時のふらつき(起立性低血圧)、脳神経障害などが起こります。
進行すると少しの傷から壊死を引き起こし、足を切断しなければならなくなることもあります。
糖尿病性網膜症

高血糖が続くと、網膜の細い血管が障害され、切れやすくなります(眼底出血)。
出血を繰り返すことで網膜剝離などが起こり、失明の原因になってしまいます。
糖尿病性腎症

腎臓には毛細血管からなる糸球体というというものがあります。
ここでは、血液をろ過して尿を作っています。
血糖値が高くなると、細い血管に障害が起こり、糸球体が硬くなって腎機能障害を引き起こしてしまいます。
腎機能の低下が進行すると、血液を人工的にろ過するため「透析」が必要となり、患者さんのQOL(生活の質)が著しく低下する原因になってしまいます。
脳卒中

脳の血管の動脈硬化が進み、血のかたまりが詰まって脳梗塞を引き起こしたり、血管が破れやすくなって脳出血を引き起こしたりします。
心筋梗塞・狭心症

血のかたまりが心臓に詰まると心筋梗塞を引き起こします。
また、心臓の血管の動脈硬化で血の流れが悪くなると、狭心症の原因となります。
閉塞性動脈硬化症

足の動脈硬化が進むと、血液の流れが悪くなり、歩行が困難になることもあります。
歯周病

歯ぐきの細い血管が傷つき、出血しやすくなることで、歯の周りの組織がもろくなって歯が抜けてしまいます。
その他
3.適正な血糖値を保つために今日からできること
A. 糖の吸収を穏やかにする(減らす)
- 分解された炭水化物=糖(甘いものやジュース)を控えましょう
- ゆっくりよく噛んで食べましょう
- 野菜(食物繊維が豊富なもの)やたんぱく質(肉・魚・卵・豆製品など)から食べ始め、最後に炭水化物(ご飯・パン・麺など)を食べることで糖の吸収を穏やかにしましょう
B. インスリンの分泌を促進する
- からだを動かす習慣をつけましょう
- たんぱく質(肉・魚・卵・豆製品など)を炭水化物(ご飯・麺・パンなど)より先に食べてインスリンの分泌を促しましょう
C. インスリン抵抗性を改善する
※インスリン抵抗性=インスリンの効きが悪くなり、血糖値を正常に戻すために過剰なインスリンが必要になること。
- 肥満にならないように生活習慣を見直しましょう
- ストレスを溜めないようにリフレッシュしましょう
- 有酸素運動を取り入れ、運動不足にならないように気をつけましょう
注意)糖は必要な栄養素でもあります
ここまで聞くと炭水化物(糖)が悪者のように思えるかもしれませんが、炭水化物は人間が活動するために必要不可欠なものです。
特に、脳はブドウ糖をエネルギー源としているため、糖が枯渇してはいけません。極度に炭水化物を控えたり、過剰に血糖降下薬を使用したりして低血糖を繰り返すと、認知症になりやすくなるという研究結果もあります。
朝昼晩バランスよく食事を摂りましょう。

4. 市のサービスを利用して健康になろう!
栄養相談

市役所では管理栄養士による栄養相談を無料で実施しています。
ご相談内容によっては保健師が同席する場合もございます。
令和6年度は、
・バランスの良い食事について
・減量のための食事について
・糖尿病の食事について
・脂肪肝の食事について
などたくさんのご相談をいただきました。
※診断名がついている方はかかりつけ医から指示箋をもらってください。
ご興味のある方はお気軽に、健康推進課までお電話ください。
健康教室・料理教室
- 令和7年度より、糖尿病の発症予防を目的とした教室を開催する予定です。詳細が決まり次第、広報やホームページでご案内いたしますので、ぜひご参加ください。
- 男性の健康推進員さんによる男性のための料理教室を開催しております。調理実習を通してバランスの良い献立の立て方や調理法を学ぶことができます。令和7年度は年3回の予定です。日程等は広報にてお知らせしますので、ぜひご参加ください。
1年に1回、健康診断を受けましょう
健康診断は自分の体を知るチャンスです!

市役所では無料で健康診断を行っております。
対象は、
・国民健康保険の方(40~74歳)
・30歳代で職場などで健診の機会がない方
・生活保護受給者(30歳~)
・後期高齢者(75歳~)
※上記以外の方は各保険者にお問い合わせください。がん検診は健康保険の種類に関係なく受診できますので、詳細は年度初めに全戸配布される「健康だより」または市のホームページをご覧ください。
更新日:2025年02月20日