院内がん登録の状況

当院のがん患者は60歳以下の若年層が少なく、9割以上を70歳以上の患者さまです。男女比で見ると男性59.2%、女性40.92%です。当院で診断された方のうち、他院で放射線療法や外科的治療を実施後に当院へ再紹介となり、化学療法や内分泌療法を継続される方も多々おられます。院内がん登録では初回診断後半年経過後に開始された治療は反映されないため、実際の治療数と異なる部分が多くあります(特に表1の乳房の内分泌患者数)
男女別疾患数


年により多少ばらつきが見受けられます。
当院で多い疾患を一部抜粋して、がんの発見経緯をまとめました

市内外の診療所から紹介され、当院へ来院された患者さまが43.19%です。胃・大腸で紹介された患者さま248件のうち119件が当院で外科治療を選択され40件が化学療法を導入されています。肺・乳房・前立腺で手術および放射線療法となった患者さまは、連携先の大津赤十字病院や滋賀県立総合病院へ紹介しております。子宮頚部は子宮頸がん健診で要検査となった方が3割を占めています。進展度が上皮内癌であれば、当院で円錐切除術を行い、治癒可能な症例が多いです。前立腺も健診の血液検査PSA高値で再検査となり来院されます。一部の方は手術のため他院紹介されますが、大多数の方は生検のち内分泌療法導入となり、当院で治療されています。いずれの症例に関しても当院では化学療法と内分泌療法が可能です。
過去5年間の治療実績
院内がん登録では初回診断後半年経過後に開始された治療は反映されないため、実際の治療数と異なる部分が多くあります。当院の外科では、胃および大腸の癌が見つかり、切除可能と判断した例は、外科的治療や腹腔鏡下手術を実施しております。泌尿器科では前立腺がんや膀胱がんの検査・治療も数多く実施しています。
外来化学療法室を設置し、専任の看護師による安全な投与管理およびケアと、化学療法の副作用などに関わる相談をホットラインで患者さんの個別性に合わせた対応をしております。
各科、外来化学療法室では免疫チェックポイント阻害剤(キイトルーダ、オプジーボ、パドセプ、イミフインジ、バベンチオ)を使用しています。
緩和ケア認定看護師によるがん相談(事前にご連絡ください)は毎日、緩和ケア外来は毎週金曜日に行っております。
連携先の大きな病院から治療終了となり、通院困難や「住み慣れた高島でゆっくりしたい」と紹介となる例も多々あります。
参考:2024年治療実績
外科:癌に対する外科的治療11件、腹腔鏡手術35件、内視鏡的治療16件
泌尿器科:膀胱癌に対する経尿道的手術24件、腹腔鏡手術2件、前立腺生検17件
化学療法:約850件(投与中に状態悪化により中止となった例含む)
免疫チェックポイント阻害剤:20件
ホットラインの相談件数:50件以上
BRCA1/2遺伝子検査:5件
消化器がんに対する遺伝子検査:KRAS、BRAF、UGTIAI、MSI-High、HBA-2
更新日:2025年04月25日