令和8年度施政方針(令和8年3月定例会)

更新日:2026年03月05日

昨年2月に市長に就任させていただき、1年が過ぎたところでございますが、この間、私は市民の皆様の切実なお声や、市外から本市に関わっていただいている方々のご意見などに耳を傾け、本市が抱える課題と、それ以上に眠っている「高島市の魅力と無限の可能性」を肌で感じてまいりました。

令和8年度予算案を提案するにあたり、高島市の可能性を生かすための新しい取り組みを立ち上げるとともに、これまでに築き上げられてきた様々な取り組みを新しいステージへと進めるなどによって、これまでの対話を形へと変え、高島の新しい時代を切り拓く決意であります。

そのためには、市政運営において、次の3点を重視してまいりたいと考えています。

1点目は、高島市の魅力と可能性を認識し、これらを大切にしながら活かすという意識を、組織全体でより一層高めていくということです。

このために、市役所内での積極的な議論や研修などを取り入れてまいります。

2点目は、市民と民間の団体や事業体および行政が一緒になり、それぞれのノウハウや強みを足し合わせて、新しい価値を創り上げていく「官民共創」の取り組みによるまちづくりです。

このためには、市役所の外へと積極的につながる動きと、民間のお力を生かすための創意工夫を市の組織全体として進めてまいります。

3点目は、県や国とのつながりを強化することです。高島市の厳しい財政状況を踏まえると、県や国の施策を最大限活用する必要がございます。このために、県や国との連携をより一層進めてまいりたいと考えます。

その上で、市政運営にあたって掲げております「若者と子育て世代を引きつけ、人口減少に打ち勝つまちづくり」と「健康で生涯活躍できる安心安全なまちづくり」という2つの大きな政策目標を達成するため、次に掲げる「新しい高島をつくる7つのビジョン」を羅針盤として、具現化に向けた施策を推進してまいります。

政策分野1 「仕事をする人、暮らす人でにぎわうまちづくり」

地域資源を活用したり、仕事を創り出すなど、高島の活力を生むのは「人」です。都市部の人材を呼び込む「地域おこし協力隊」を積極的に募集し、新たな視点でまちづくりに参画していただくとともに、市内で活動しながら定住いただけるような伴走型支援を強化します。

また、このビジョンの達成のためには、都市部から高島市への新たな人の流れをつくる必要がございます。

このために、空き家を「地域のにぎわいの場」へと転換するモデルづくりとしてモデル集落を選定し、サテライトオフィスや学生の学びの場として産官学の共創で再生する取り組みを進めます。

そして、高島の雄大な自然環境や森林についても、新たな可能性を生かしてにぎわいを生み出す取り組みを官民共創によって進めたいと考えています。

このため、令和8年度は、森林サービス産業創出事業による企業の森の誘致やたいさんじ活性化事業および針畑地域活性化事業などに取り組みます。

企業誘致については、一層推進しなければならないと考えております。県による産業用地開発事業などのチャンスを活かし、積極的な営業による企業誘致を促進します。

政策分野2 「経済効果を高める観光まちづくり」

「たかしま観光ビジョン」の実践フェーズとして、観光に関係する各団体とのワークショップを重ねて、現場からの提案を、市全体の観光の仕組みづくりにつなげていきます。

まずは、本年1月から放送の大河ドラマ『豊臣兄弟!』を絶好の好機と捉え、ゆかりの地を巡るイベントや情報発信を強化します。歴史資源を観光素材とした誘客を促進し、地域経済を潤す観光消費へとつなげてまいります。

次に、公共交通機関を利用した観光を推進する必要がありますので、近江今津駅周辺地域について、観光客を迎える玄関口としての魅力を高めるまちづくりを官民共創で進めます。あわせて、市内最大のスポーツ施設である今津総合運動公園を中心に、官民共創によるスポーツを軸とした地域づくりを検討します。

また、ツーリズムの拠点となる既存施設の改修を計画的に進めるとともに、メタセコイア並木の観光客による渋滞解消や衛生環境の向上を目的とした周辺環境の整備をあわせて進めます。

政策分野3 「活力ある強い産業を育むまちづくり」

まずは、「発酵のまちづくり」をブランド化するための「発酵のまちづくり推進事業」に取り組むなど、地場産業の付加価値を高めてまいります。

農業では、安定生産と信頼性を両立させた次世代モデルをつくるための有機農業推進事業を実施するとともに、オーガニックビレッジ宣言を目指します。

新規就農者には、住居支援や、50代・60代の挑戦を支える支援金を新設します。アグリサポート高島と連携した研修農場の創出など、担い手を確保するための新しい取り組みを進めます。

深刻な農業被害をもたらしているニホンザルについては、個体数調整を計画よりも前倒しして進めます。

また、市内企業の設備投資や雇用の増進を引き続き支援し、市内での新規創業を推進することで、地域産業全般の振興を図り、持続可能な経済発展を目指します。

政策分野4 「恵まれた子育て、教育環境で未来を担う人づくり」

組織改編により「(仮称)母子保健課」を新設し、妊娠期から若者まで切れ目のない支援を強化します。そして「こども誰でも通園制度」の無償化を市独自の施策として実施します。学童保育の安定運営や、ペアレントトレーニングによる保護者支援も新たに開始いたします。

教育現場では、支援員や指導員を増員し、一人ひとりに寄り添う教育を実践します。

また、安曇小学校のトイレ改修を前倒しして実施するとともに、マキノ地域では、地域産木材を始めとする木材をふんだんに使用するなど環境に配慮した魅力的な新校舎整備を進めます。

学校給食については、物価高騰の中でも予算を増額して「高島市内の農産物を使用したおいしい給食」を維持し、子どもたちの健やかな成長を支えます。

不足している保育人材については、保育人材の確保と定着に取り組むための各種支援策を引き続き推進いたします。

政策分野5 「人と人がつながり、健康で生涯活躍できるまちづくり」

複雑化する福祉ニーズに対し「重層的支援」を深化させるとともに、認知症や障がいのある方への権利擁護を強化します。

「団塊の世代」が後期高齢者となる中、第10期介護保険事業計画を策定します。不足している介護人材については、市内介護サービス事業所等の人材確保と定着促進への各種支援策を引き続き推進します。

厳しい経営状態となっている病院事業では経営の健全化を加速させつつ、陽光の里の一部を「介護医療院」へ転換し、医療・介護・在宅が一体となった安心の体制を築きます。

また、地域で安心して医療サービスを受けられるまちづくりを実現する必要がありますので、各医療機関の特性を生かした官民共創による地域医療の連携体制づくりの検討を始めます。

市民の移動手段の確保は、運転免許の返納が進む中でますます重要性が高まっています。このため、持続可能な移動サービスの提供に向けて、ライドシェアの試行など、地域のニーズに合った新たな交通システムの検討を官民共創で進めます。

JR湖西線も市民の移動手段として極めて重要ですので、強風対策をはじめとした利便性の向上と利用促進について、外部有識者を含めた検討会議を新たに設置し、対策にかかるより実現性のある提案づくりを進めます。

政策分野6 「様々な災害に備える防災システムづくり」

まず、救急・救出活動の迅速化を図るため、119番通報の際に通報者のスマートフォンのカメラ映像をリアルタイムで消防本部へ伝送する「映像通報システム」を導入します。これによって、1分1秒を争う救命活動の精度を飛躍的に高めてまいります。

ハード面では、消防ポンプ車の計画的な更新などを行い、消防力を着実に強化いたします。また、河川改修や急傾斜地対策などのインフラ強靭化を推進します。

地域防災の要である「自助・共助」の取り組みにおきましては、要支援者おひとりおひとりに最適な避難方法を定める「個別避難計画」やマイ・タイムラインなどの作成および防災出前講座などの実施を引き続いて推進することによって、誰一人取り残さない避難体制づくりを進めます。

あわせて、自主防災組織を育成・強化しながら、防災資機材等の整備を支援します。

また、重要港湾である敦賀港と滋賀県そして京阪神を結ぶ最短ルートである国道161号についてですが、想定されている南海トラフ地震や琵琶湖西岸断層帯地震などの大規模災害時において、救援物資の輸送を含めた防災の機能を果たすためにも、人の流れや物流の活性化によって本市の経済を発展させるためにも、敦賀市へのアクセスの向上が欠かせないことから、安曇川地区の立体化早期開通などとあわせて、官民一緒になって国や県へ強力に働きかけます。

政策分野7 「高島らしい環境、文化、歴史に恵まれたまちづくり」

一般廃棄物を伊賀市へ運搬している状態を解消し、高島市での適切な処理体制をつくることによって、環境と私たちの日々の暮らしが共生していくための環境センターとしての役割を果たせるように、泰山寺の環境や景観に配慮しながら、新たなごみ処理施設の整備を進めます。

また、県内でも特筆すべき良好な自然環境や景観を有している本市の琵琶湖岸について、市民、有識者で構成されている未来へ誇れる環境推進委員、企業等とともに、保全と活用を官民共創で持続的に行っていく仕組みづくりを進めます。

さらに、令和8年度には「環境基本計画」の改訂を行い、これまでの 10年間で大きく変化した社会情勢や本市の優れた環境を踏まえて、次の10年間における環境対策の方針を策定します。

あわせて、重要文化的景観の整備と活用をはじめ、文化財の調査、保存、展示および情報発信を行い、地域の歴史的価値を未来へ継承する取組みを進めます。

以上、7つのビジョンそれぞれについての主な施策を申し上げましたが、それらの施策一つひとつが、「人口減少に打ち勝つ力」となり、市民の安心安全な暮らしにつながると考えております。

このような施策の推進も含め、市民の皆様、各種団体や民間事業者の皆様、市議会の皆様、そして私たち市役所の執行部が力やノウハウを出し合い、次世代に誇れる高島を共に創り上げる喜びを分かち合うことができれば、これほど素晴らしいことはございません。

令和8年度の市政運営につきまして、市議会議員の皆様と市民の皆様により一層のお力とご指導を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、私の施政方針といたします。どうかよろしくお願いいたします。

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