所信表明(平成29年3月定例会)

更新日:2023年03月31日

ただ今上程されました2件の議決案件、16件の条例案件、ならびに10件の予算案件の提案説明に先立ちまして、これからの4年間におけます私の市政運営に向けての所信の一端を述べさせていただきます。

はじめに、このような機会を与えていただきましたことに対しまして、正副議長をはじめ、議員各位に心から厚くお礼申し上げます。 

さて、この度の高島市長選挙におきまして、大変多くの市民の皆様からのご支持をいただき、2期目の市政をお預かりすることになりました。市民の皆様のご期待にしっかりとお応えするためにも、誠心誠意、全力で市政運営にあたらなければならないと決意を新たにいたしますとともに、改めましてその責任の重大さを認識しているところです。 

4年前の平成25年2月に初めてこの高島市長の職をお預かりし、これまでの4年間、実に様々な事案が発生いたしました。その都度、各メディアなどに取り上げていただき、市民の皆様には、その時々の市政のあり方が伝わりましたが、時には大変なご心配や、ご迷惑をおかけしてしまったところでもあります。

こうした事案の多くが、それまでに必要な課題への対応が先送りされていました結果の表れであったり、また、この高島市がいつかは乗り越えなければならない課題でもありました。このような課題への対応は、高島市という自治体が変わろうとしている、あるいは、変わらなければならない長い歴史の中でのまさに試金石であり、その対応を誤ったり、また、さらに先送りすることを選択すれば将来におけます歴史的な評価となって表れるものであると自分自身にも言い聞かせながら精一杯の対応をしてきました。

そしてまた、本日も大変多くの市民の皆様が傍聴にお越しいただいておりますが、私に信頼をお寄せいただき、支持していただきました多くの市民の皆様の期待や信頼を裏切ることは許されず、そして、そうした対応がこの職をお預かりしている立場にある者の責任と受け止め、ひたすらたゆまない努力を傾注してきたところであります。 

しかしながら、高島市は、今なお、様々な課題を抱え、中でも、人口減少は大きな課題でもあります。平成17年1月に6町村が合併して、今年で13年目を迎えますが、合併当時、人口が約56,200人でありましたところ、今では50,257人となり、約6,000人の減少、率にいたしますと10.6%減となっております。こうした人口減少の問題は、高島市だけではなく全国の多くの自治体が直面する、喫緊の課題でもあります。人口減少問題は近い将来、地域経済に大きな影響を及ぼすことにつながり、地域全体が疲弊し、さらには、地域コミュニティや集落機能の低下、地域産業の担い手の減少による農地や山林のさらなる荒廃といったことが容易に予想されます。

  このため、平成27年10月に「高島市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定いたしまして、人口減少がもたらす様々な課題を克服し、将来にわたって安心して暮らし続けることができる地域社会づくりを進めるため各種施策を推進してまいりました。

例えば、若者定住につなげるために中学3年生までの医療費の完全無料化や保育料の無料化などによります子育て支援の充実、あるいはふるさと納税の取り組みや、特産品海外販売戦略等の事業展開によります地域産業の活性化や雇用増進、さらには、今年から現場着工を迎えます会員制リゾートホテルの誘致等、様々な施策を組み合わせながら事業展開を図ってまいりました。 

また、今年4月からは、職員の皆さんの手作りで作りあげていただいた第2次高島市総合計画の初年度を迎えることになり、これからの10年間、高島の魅力である水と緑を守り、そしてその生活から生まれる「恵み」を大切にしながら、高島市に「誇り」を持てるまちづくりを進め、「住みたい、住み続けたい 高島」の実現に向けて、計画的、総合的に全庁あげて取り組むことになります。

まさにこれからの4年間は将来の高島市のまちづくりそのものを方向付ける極めて重要な時期を迎え、次なるステージへ導くための転換期とも位置付けております。こうした取り組みを継続することが、今の高島市にとりまして、最も重要なテーマでもあります。私達の次の世代に自信と誇りを持って引き継ぐためにも、総力を挙げて取り組まなければなりません。 

そのために、先の市長選挙で市民の皆様に、6つの新未来政策をお示しさせていただきましたが、この機会にその一端を述べさせていただきます。 

まずは、「産業・観光振興」でございます。

現在ではすでに構想を練り上げているところではありますが、会員制リゾートホテルの誘致に続きます次なる複数のプロジェクトの実現に向けた取り組みにより、雇用の確保や地域経済の活性化、更なるふるさと納税制度の充実によります地場産業の活性化、白鬚神社やメタセコイア並木等の観光スポットを活用した観光振興によります、地域の活性化を図ってまいります。 

二つ目には、「子育て・教育・女性」でございます。

「子育て」につきましては、中学3年生までの医療費や保育料の無料化を実現いたしましたが、更なる充実を図りますとともに、子どもたちの「確かな学力」を育む教育や、ICTによる情報教育を推進し、創造性や学力の向上につなげてまいります。また、「女性の活躍」につきましては、男女共同参画の推進のほか、女性の就業支援により、女性が活躍できる環境の整備と支援をしてまいります。 

三つ目には、「医療・福祉・スポーツ振興」でございます。

本年4月から朽木診療所を高島市民病院に統合させていただき、将来にわたりましての朽木診療所での医師確保の不安を払拭いたしますとともに、また多くの市民の皆様にご心配いただいております高島市民病院の産婦人科につきましては、私自身、市民病院の高山病院事業管理者に対しまして全幅の信頼を申し上げながら、これまで対応の協議を重ねてまいりました。その結果、診療閉鎖は回避することができる見通しとなり、高山病院事業管理者をはじめ関係いただいた皆様のこれまでのご労苦に対しまして、心から感謝いたします。

このように「医療」につきましては、高島市民病院の医師や看護師の確保など、医療体制のさらなる強化に努めますとともに、各医療機関と連携しながら高島市民病院を核とした地域完結型医療の推進と在宅医療の充実を図り、地域で安心して医療を受けられる環境を整備してまいります。「福祉」につきましては、高齢者や障がいをお持ちの皆様が健康で心豊かに生活を営んでいただけるようさらに充実をしてまいります。「スポーツ振興」につきましては、身近なスポーツ機会の充実による健康づくり、生きがいづくりに努めますとともに、各種スポーツ大会の誘致によるスポーツ振興に取り組んでまいります。 

四つ目には、「防災・環境・文化振興」でございます。

「防災」につきましては、市民の皆様の生命と財産をしっかりと守るため、大規模災害に備えた防災力のさらなる向上と、住宅の耐震化を促進してまいります。次に「環境」についてでありますが、ご承知のとおり高島市にとりましては、大変な問題となりました環境センターの管理運営は、現在、安定的に稼働しておりますものの、今後のあり方が大きな課題となっております。このことから、将来に向けました整備方針につきまして、そのあり方も含め早急に対応をしてまいりたいと考えております。「文化振興」につきましては、本年度策定しました文化振興計画に基づき、高島の地域に根ざした文化活動を大切にし、高島の伝統行事や歴史遺産・文化的景観などの保存・継承・活用に努めてまいります。 

五つ目には、「生活基盤の整備」でございます。

市民皆様にとりましてはその生命線ともなります国道161号、303号、367号の早期整備の促進、とりわけ国道161号につきましては、この4年間で約61億円の予算付けをしていただき、それ以前の4年間と比較いたしますと、実に6倍を超える事業の実施につながりました。小松拡幅も現実に、また着実に工事が進められているところでありますが、今後とも積極的に国等に働きかけをしてまいります。また市が管理しております多くの老朽化した橋りょうの改修や安全確保、さらには水道施設の老朽化対策などにも取り組んでまいります。近年増加している空き家問題につきましては、その実態把握に基づく適正管理と、移住定住への有効活用に取り組んでまいります。 

六つ目には、「市役所改革の継続」でございます。

まず、「人材育成の推進による組織力の最大化」でございますが、市民へのサービス向上のためには、何よりもまず職員の皆さんの意識改革が必要であります。これまでもこれからも様々な研修機会を設け、個々のレベルアップはもとより、仕事に対する「やりがい」や「責任感の醸成」につながる取り組みを展開することにより、「組織力」の強化の実現を目指してまいります。次に、「さらなる行財政改革による持続可能な自治体運営の実現」でございますが、 高島市行財政改革推進計画に基づき、市民サービスの質および効率の向上に取り組んでまいります。財源確保と歳出の見直しは、避けて通ることのできない喫緊の課題であり、単なる歳出削減や経費節減にとどまることなく、公共施設の再編や遊休財産の売却など、持続可能な自治体運営の実現に向け、中・長期的な視点で将来にわたる安定的な財政運営を考えてまいります。 

以上が、私が市民の皆様に対しましてお示しさせていただきました政策であります。 

最後に、庁舎問題についてであります。皆様も既にご承知のとおり、市民の皆様にご負担をおかけしながら住民投票まで実施させていただき、民意が明確であったにもかかわらず、議会では高島市役所の位置を定める条例の一部改正案は三度の否決という大変残念な結果になりました。

一方で、庁舎・支所整備事業の予算はご議決をいただいておりましたことから、平成27年6月定例会におきまして、市議会から、「現新旭庁舎を暫定の事務所の位置とする趣旨を前提に速やかな庁舎・支所整備事業の予算執行を求める意見書」を頂戴し、現在まで全体的な整備スケジュールを踏まえながら、実施設計業務など事業推進に努めております。 

庁舎整備の問題につきましては、今後も、民意にしっかりと応えるため、そして、将来の高島市のため、議員各位のご意見をいただきながら、しっかりと取り組んでいかなければならないと考えているところであります。改めまして、議員各位のご理解、ご協力をお願い申し上げる次第であります。

  また「支所機能の充実と強化」についてでありますが、支所は、単に窓口業務を行うだけではなく、万一の災害時における地域の防災拠点であり、区・自治会をはじめとする地域住民の皆様のお声をお聞かせいただく地域にとって大切な施設であります。このことから、必要な耐震改修をはじめとし引き続き支所機能の充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。 

合併から13年目を迎え、市を取り巻く様々な環境は、合併時には予測できなかったスピードで目まぐるしく、大きく変化してまいりました。このような社会情勢の変化とともに、高島市も大きな転換期を迎え、高島市のあり方も大きく変わろうとしています。今まさに、変わらなければならない時を迎えていると言えます。市政運営にはその時々の国内外の諸情勢をはじめとした時代の変化を読み解きながら、冷静にまた客観的に将来を見通した自治体運営ではなく、自治体経営を担わなければなりません。

これからの4年間は、高島市の将来を左右する、極めて重要な4年間となります。市民の皆様とともに、この高島の未来をしっかりと見据えながら、次なるステージへと着実に歩みを進めますとともに、将来に向けた礎をしっかりと築き、「自信」と「誇り」を持って次の世代に高島市を引き継いでいくことが、私に課せられた重大な使命であると考えております。市民の皆様とのお約束を守り、そして様々な困難にも真正面から立ち向かい、全身全霊をもって、自らの責任を果たしていく覚悟であります。 

どうか議員各位、ならびに市民皆様の深いご理解とご協力を心からお願い申し上げまして、市長就任にあたりましての所信表明とさせていただきます。

この記事に関するお問い合わせ先

〒520-1592
高島市新旭町北畑565
電話:0740-25-8000
ファックス:0740-25-8101
秘書課へのお問い合わせ