令和4年度施政方針(令和4年3月定例会)

更新日:2023年03月31日

 まずはじめに、令和4年度は高島市総合計画・後期基本計画がスタートする年度となります。
 この後期基本計画の策定にあたり実施いたしました市民意識調査では、5年前の市政と比較してほとんどの政策分野で市民満足度が向上しているとの評価をいただき、「住みたい、住み続けたいまちの実現」に向けて着実に前進しているものと受け止めております。

 令和4年度は、新型コロナウイルスに打ち克ち、新しい時代へ着実な歩みが期待される年であり、本市にとりまして更なる市政発展の契機とするべく、新たに後期基本計画に位置付けました施策を市民の皆様と共有しながら、次の世代へしっかりと引き継げるまちづくりを積極的に推進してまいりたいと考えております。

 それでは、令和4年度の主な施策とその方向性について、第2次高島市総合計画の6つの政策分野ごとに申し上げます。

1.産業・経済

 いよいよこの春には会員制リゾートホテル事業に関しまして、2024年の開業を目指した建設工事の着工が予定されております。
 平成27年にリゾートトラスト株式会社との間で協定を締結し、これまでの間、国内での様々な社会経済情勢の中でようやく具体的に動き出す運びとなり、市にとりましても雇用増進はもとより、地域の活性化に寄与していただけるものと大いに期待をいたしているところでもあります。今後におきましてもあらゆる機会を捉え、企業等の誘致に向けて積極的に取り組んでまいります。
 また、市内企業における設備投資の増強や雇用増進等に対する支援などを継続してまいりますとともに、新たな創業支援制度を創設いたし、市内における新規創業や新規事業の立ち上げ支援を行うことにより雇用の増進にもつなげてまいります。

観光振興

 長引くコロナ禍の影響により観光需要は大きく減退しているものの、本市の強みであります恵まれた自然環境の中でのキャンプやグランピング等のアウトドアに対する需要は非常に高まっており、こうした情勢を踏まえ、新年度におきましては今後の総合的な観光振興の指針となる観光ビジョンの策定に取り組み、より一層、戦略的な観光振興に取り組んでまいります。

農林水産業

 まず、農業施策については、市内の多くを占める中山間地域では、担い手の減少などにより農地の荒廃や多面的機能が低下しております。そうした中で、本年10月には滋賀県内では初めてとなる第27回全国棚田・千枚田サミットが本市で開催される運びとなりますことから、このサミットを契機として、中山間地域の農業が抱える課題の共有や、農業・農村保全の取り組みを次の世代につなげるための意識醸成につなげてまいりたいと考えております。
 また、農業経営の安定に向けまして、引き続き、たかしま野菜等生産拡大事業やオリーブ産地化促進事業などにも取り組んでまいります。

2.子育て・教育

 まず、子育て支援策についてでありますが、これまで県内の他市に先駆けて取り組んでまいりました中学生までの医療費無料化や保育料等の完全無償化などに加え、今年度から開始いたしました小中学生の学校給食費の完全無償化や、昨年10月に創設いたしました在宅育児支援金の支給等を継続し、どこよりも子育て支援の充実したまちとして魅力ある子育て環境の整備に努めてまいります。

教育

 学校教育では、小中学校の児童生徒に1人1台のタブレット型端末を配備し、デジタル教材を活用した授業改善を通して個別最適な学びの充実を図り、子どもたちの確かな学力の定着に向けた取り組みを進めてまいります。
 また、社会教育については、人生100年時代に向けて市民一人一人がその生涯にわたり学習できる環境を整えるとともに、本年4月からは、これまで今津北コミュニティセンター内にありました今津公民館を今津東コミュニティセンター内に移転し、地域の社会教育活動の拠点として充実を図ってまいります。

3.健康・福祉

 引き続きまして、新型コロナウイルス感染症対策には全力をあげて取り組んでまいりますとともに、人口減少により世帯の小規模化や単身化が進み、地域のつながりの希薄化や8050問題など生活課題を複合的に抱える世帯が増加しておりますことから、こうしたニーズに対応するため、福祉や保健医療、就労、教育などの各施策が連携しながら、包括的な相談支援体制をさらに強化してまいります。
 また、高齢者人口の増加に伴い、要介護者等が増加する中にあって、介護職員等の人材確保が困難な状況が続いておりますことから、新たに新規採用介護職員等雇用促進助成事業を創設し、市内介護サービス事業所等の人材確保と定着に努めてまいります。

病院

 これまで市民病院と朽木診療所および陽光の里の統合を図ってきたところであり、引き続き、経営の健全化を進めますとともに、地域の中核病院としての機能充実を図りながら、更なる経営改善に取り組んでまいります。

4.暮らし・文化

 まず、住民自治の分野でありますが、人口減少時代における新たな住民自治の仕組みとして、一昨年から各地域で準備を進めていただきました住民自治協議会につきましては、いよいよ来年度から中学校区を単位とした活動がスタートいたします。これに合わせ、地域コミュニティへの支援を拡充し、新たに住民自治協議会交付金を交付することにより、協議会の運営や活動を支援してまいります。
 また、本市への新たな人の流れをつくる移住定住施策では、JR西日本との連携協定に基づくお試し暮らしなどの取組みを更に充実させるとともに、体験型滞在プログラムなどの提供により関係人口の拡大や定住促進につなげてまいります。

環境施策

 政府は2050年におけるカーボンニュートラルを宣言し、その実現のためには2030年までの10年間の取組みが極めて重要であるとされ、あらゆる主体の取り組みとライフスタイルの転換が求められているところであります。そのため、今後は市民参画を得ながら、地域の再生可能エネルギーや省エネルギー施策の在り方についての検討を進めてまいります。

 また、新たな環境センターの整備についてでありますが、建設予定地の選定に際しましては広く公募をさせていただきましたところ、大変多くの区や自治会においてご検討をいただき、最終的には3か所からご応募をいただいたところであります。
 現在は、外部有識者で組織するごみ処理施設建設検討委員会において選定に向けてご審議をいただいているところであり、今後はその審議結果を踏まえまして、新ごみ処理施設整備基本計画の策定を進めてまいります。

災害への備え

 全国各地で大規模災害などが頻発する中、災害への備えと速やかな避難行動につなげるため、老朽化した防災行政無線システムの更新を行うための設計業務に着手いたしますとともに、防災ハザードマップ等を活用した自主防災組織への啓発を行い、地域防災力の向上と災害に強いまちづくりを推進してまいります。

5.生活基盤

 国道161号をはじめといたします道路交通基盤の整備は、本市の将来を展望する上で極めて重要な政策課題であります。
 特に、国道161号につきましては、大津市北小松地先での橋梁上部工や安曇川地先では交差点立体化のための橋脚工事が鋭意進められているところであります。
 そうした中で、とりわけ小松拡幅13工区のうち白鬚神社周辺の渋滞解消に向けたバイパスの整備につきましては、近日中にも国から具体的なルートが示される予定となっておりますが、一刻も早い事業着手に向けまして、引き続き、関係機関との緊密な連携を図ってまいります。

 また、福井県敦賀市と美浜町において計画されている道路構想につきましては、地域の将来を展望する中で本市の新たな発展軸となる可能性を秘めたプロジェクトでありますことから、引き続き、関係市町等と連携を図りながら検討を進めてまいります。

 この他にも限られた財源のなかで道路整備を効果的・効率的に推進するため、第2次高島市道路整備プログラムの中間見直しを行いながら改良整備や消雪設備の整備を鋭意進めてまいりますほか、橋梁の点検や長寿命化対策にも計画的に取り組んでまいります。

下水道事業

 公共下水道区域内にある農業集落排水処理施設を計画的に公共下水道へ接続しておりますが、来年度は横山地区、武曽地区の農業集落排水処理施設を公共下水道へ接続するため下水道管渠築造工事を実施することとしております。

水道事業

 第2次高島市水道事業基本計画に基づきまして、水道水の持続的な安定供給および有収率の向上を図るため、老朽化した主要管路の更新や施設の防災対策、統廃合に向けた施設整備を計画的に進めてまいります。

6.行政経営

 今後、人口減少がさらに進行していく中で、持続可能な行財政運営と質の高い行政サービスを次世代に引き継ぐためには、行財政改革の推進は避けて通れないものと考えております。そのため、令和2年度に策定しました第2期高島市行財政改革計画に基づきまして、進捗状況や効果を検証しながら着実な推進を図ってまいります。

行政のデジタル化

 新型コロナウイルス感染症に伴う様々な生活様式の変化は、デジタル化されたサービスや業務などが広く一般に浸透する契機となりました。本市におきましても、国の自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画の方針を踏まえながら、デジタル技術の効果的な活用により一層のサービス向上につなげてまいります。

 また、高島市のふるさと納税は、おかげさまで近年は毎年6億円を超えるご寄附を全国からいただき、市にとりましては貴重な財源でありますとともに市内の特産品を全国にお届けできる絶好の機会となっております。
 引き続きまして、高島市の優位性や特性などを全国に情報発信してまいりますとともに、高島リビング・シフト構想を通して積極的なシティープロモーションにも努めながら、さらなる関係人口の拡大や定住人口の増加に取り組んでまいります。

おわりに

 以上、令和4年度の市政運営に当たりましての施政方針の一端を述べてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症に関する諸問題をはじめ、市政の推進には数多くの課題が山積しております。
 引き続きまして、次の世代に責任が持てるまちづくりに職員の皆様とともに全身全霊で臨んでまいりますので、議員各位におかれましてもより一層のご理解、ご協力を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、令和4年度の施政方針といたします。

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