令和3年度施政方針(令和3年3月定例会)

更新日:2023年03月31日

 ただいま上程をさせていただきました追加の提案説明に先立ちまして、この機会に、令和3年度の施政方針を述べさせていただきます。
 去る3月1日に上程させていただきました、令和3年度高島市一般会計当初予算案におきましては、骨格予算としてご提案申し上げ、先の市長選挙終了後に各部局等と議論を重ね、政策的な予算の編成作業を進めてまいりました。
 とりわけ、コロナ禍での現状におきましては、市民生活や各種事業の進捗に影響が出ることがないよう、令和3年度の補正予算という形で、本日、追加提案させていただいたところであります。

 それでは、令和3年度、重点的に取り組む施策について、第2期高島市総合計画の6つの柱に沿って基本的な考えを申し上げます。

1 産業・経済

 まず、商工業についてでありますが、新たな企業の立地促進や既存企業の規模拡大を支援し、活力の増進と雇用の創出に努めますとともに、とりわけ市内企業における設備投資の増強、雇用の増進、インターンシップ受入に対する支援など、経営基盤の強化と競争力の維持向上を図る企業活動支援事業をさらに拡充してまいります。
 また、若者の流出や働く世代が減少するなか、市内における魅力的な雇用を創出いたしますとともに、市内企業と連携して行う就職フェア等の開催を通じて、市内企業の雇用拡大ならびに求職者の市内企業への就職を支援してまいります。

 次に、農林水産業についてでありますが、農業振興策につきましては、道の駅や直売所はもとより、アフターコロナの経済成長の起爆剤と期待しております会員制リゾートホテルの進出などを契機と捉えまして、更なるたかしま野菜の供給体制を加速的に進めてまいるため、野菜の周年栽培や野菜の産地化に向けた施設整備等に対する支援などによりまして、農業所得の安定を目指してまいります。
 また、オリーブなど地域の特性を活かした特産品としての定着を図るとともに、農産物を活用した加工品の製造・販売を推進することにより、地域農業振興と地域の活性化を推進いたしてまいります。

 次に、観光振興策についてでありますが、昨年は、本市を代表する四季折々のイベントの多くが中止となりましたが、コロナ禍を契機に、自然豊かな地方への回帰や体験を通じた新たな価値を求める観光ニーズもございますことから、感染予防対策などさまざまな工夫をこらしながら、観光協会や経済団体などと連携をし、誘客の促進に向けた取組を展開してまいりたいと考えております。

2 子育て・教育

 まず、子育て支援策についてでありますが、これまでからの中学生までの医療費や保育料等の完全無償化など、市の独自策に加えまして、令和3年4月より小・中学生の学校給食費の完全無償化を行うほか、令和3年10月より県内初めての取組みとなりますが、低年齢期のお子さんをご家庭での育児を望まれる世帯に対しても安心して家庭保育ができるよう、新たに在宅育児支援金の制度を創設するなど、どこよりも子育て支援の充実したまちづくりの実現に取り組んでまいります。
 一方で、市内のこども園等に入所できない、いわゆる待機児童は、昨年10月1日現在で56名にのぼり、この解消に向けましては保育人材の確保と定着が喫緊の課題となっております。
 このため、昨年度から実施しております保育士のための宿舎借り上げ支援、保育士等の奨学金償還助成、保育補助者雇上助成など国の補助事業に加え、市独自の保育士確保策といたしまして、保育人材確保対策事業にも引き続き取り組みながら、適正な保育サービスの充実を図ってまいります。

 次に、教育についてでありますが、小中学校の教育環境の整備につきましては、国が進めるGIGAスクール構想を推進し、タブレット端末を活用した各種の学習に対応できるようICT支援員を配置し環境を整えるとともに、子どもたちの確かな学びを育む学力向上対策に取り組んでまいります。
 また、老朽化した朽木中学校の大規模改造工事、ならびに今津中学校校舎の全面改修に向けた実施設計、さらにはマキノ中学校の寄宿舎・プールの解体に向けた実施設計など、教育環境の整備にも取り組んでまいります。

3 健康・福祉

 本年1月1日現在の本市の高齢化率は県下で高く、36.3%にのぼる超高齢化社会を迎え、医療・介護などの社会保障費が増大する傾向にあります中、介護サービス等の需要が高まる一方で、介護職員等の人材確保が大きな課題となっております。
 このため、介護支援専門員の確保や定着に向けまして、これまでからの家賃助成、子育て応援助成、外国人介護職員就労助成などに加え、介護支援専門員新任研修や更新申請に必要となる経費に助成する介護人材確保事業を拡充し、適正な介護人材の確保とサービスの安定的な提供に努めてまいります。

 次に、市民病院の経営についてでありますが、現在策定を進めております高島市民病院改革プランおよび介護老人保健施設「陽光の里」の両事業の連携強化による市民サービスの向上とともに、さらなる経営の健全化、安定化を進め、スケールメリットを活かした各部門の集合化・効率化に向けさらなる経営改善に取り組んでまいります。

 次に、スポーツ振興についてでありますが、現在、東京2020オリンピック滋賀県聖火リレーに向けた準備が進められている中で、本市においては、第1区間におけます聖火リレーの出発地として5月27日にメタセコイア並木を駆け抜けていただく予定であり、これらを契機として高島の自然を活かした様々なスポーツイベントの開催によりまして、市民の皆様の健康増進につなげまいります。

4 暮らし・文化

 都市部を中心に新型コロナウイルスの感染が広がったことを背景とした地方への居住や、リモートワーク等へのニーズの高まりを踏まえ、本市の強みを活かした地域活性化や関係人口の増加を目指すため、高島リビング・シフト構想の策定に取り組みますとともに、移住促進滞在型体験事業やリモートワーク環境整備なども進めてまいります。
 また、新しい人の流れをつくる移住定住施策では、空き家の活用など移住者のニーズに対応した施策を講じてまいるほか、移住定住による新規就農者への支援など、次世代の農業の担い手の育成にも取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、災害への備えについてでありますが、全国各地で頻発する大規模災害あるいは危機管理事案などに備え、また昨今の新型コロナウイルス感染症対策を踏まえ、高島市地域防災計画の改訂および総合防災マップの更新を鋭意進め、防災体制の整備強化を図ってまいります。

 次に、新しい環境センターの整備についてでありますが、コロナ禍において、新たな生活様式の普及・定着によりますごみ排出量の増加等が懸念される中、ごみの分別と排出の抑制に関するソフト対策と併せまして、現環境センターの後継処理施設建設候補地を再度公募により選定いたします。
 令和3年度は建設予定地の選定方法について、改めて外部有識者等によるごみ処理施設建設検討委員会へ諮問をし、選定基準や候補地の評価等についてご審議いただき、建設予定地の選定を進めてまいります。

 次に、文化振興についてでありますが、市域に広がる豊かで多様性のある自然環境とその中で育まれてきた歴史や文化の魅力を磨き上げるとともに、観光振興、誘客促進と連携しながら、3つの重要文化的景観などの適正な保存・整備・活用を推進してまいります。

5 生活基盤

 道路整備につきましては、広域的な幹線道路である国道161号では、現在、大津市北小松地先でのトンネル掘削工事や橋脚工事のほか、昨年9月からは滝川橋下部工事が実施されております。
 また、安曇川地先では交差点立体化のための橋台・橋脚の工事が鋭意進められており、渋滞解消への取組みにも見通しがたってきておりますほか、白鬚神社周辺の渋滞解消に向けたバイパス整備につきましては、ルート決定などの都市計画変更について国等に対して早期の対応を引き続き要請してまいります。
 さらに、市道の橋梁が市内には666橋あり、そのうち建設後50年を経過したものが全体の約75%以上を占めておりますことから、その安全性の向上と長寿命化が大きな課題となっております。
 このため、14橋の補修工事を行いますほか、橋梁の健全度を把握するため141橋の点検を実施し、その点検結果に基づきさらに橋梁の⾧寿命化を進めてまいります。
一方、河川整備につきましては、県において各一級河川の整備が進められているところでありますが、引き続き一日も早い完成ができますよう働きかけてまいります。

6 行政経営

 行財政改革の取り組みにつきましては、各種計画との整合性を図りつつ、令和2年度に策定いたしました第2期高島市行財政改革計画に基づきまして、進捗状況や効果を検証しながら確実な推進を図ってまいります。
 特に、従来からの取組みに加えまして、行政のデジタル化が喫緊の課題であり、とりわけマイナンバーカードの普及拡大の重要性はますます高まっております。
 令和3年度末時点で交付率70%を目標に、市民の皆様への行政手続の利便性の向上ならびに事務の効率化に取り組んでまいります。

おわりに

 以上、令和3年度の市政運営に当たり施政方針の一端について述べてまいりましたが、各施策の推進に当たりましてはこれまで以上に関係部局が十分に連携し、より効果が発揮できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 これまでの8年間の取り組みを継続・発展させながら、次の世代に自信と誇りを持って引き継ぐためにも持続可能なまちづくりにしっかりと取り組んでまいる所存であります。

 議員各位におかれましてもより一層のご理解、ご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、令和3年度追加補正予算の提案に際しましての施政方針とさせていただきます。

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