平成29年度施政方針(平成29年3月定例会)

更新日:2023年03月31日

 平成29年度の施政方針を述べさせていただきます。

 去る2月28日に上程をさせていただきました平成29年度当初予算案は骨格予算としてご提案を申し上げ、先の選挙終了後に各部局等と議論を重ね、政策的な予算の編成作業を進めてきたところです。市民生活はもとより各種事業の進捗に影響が出ないよう、平成29年度の補正予算という形で、追加提案させていただきました。

 平成29年度の施政の主な取り組み、方向性につきまして、概要をご説明申し上げます。

 まず庁舎整備についてです。

 現庁舎の増改築につきましては、平成27年度から事業に着手し、今年度をもって、実施設計業務が完了する予定となっており、平成29年度および30年度の2か年で増築工事の完了を目指します。なお、本館となります現庁舎の改修工事につきましては、増築工事完了後に着手する予定であります。また、地域の防災拠点ともなっております各支所の整備につきましては、既に安曇川支所の移転が完了しており、本年8月には今津支所も移転を完了する予定となっております。平成29年度事業といたしましては、マキノ支所ならびに朽木支所の耐震補強および改修工事に取り掛かり、年度内の完了を予定しております。なお、耐震基準を満たしております高島支所につきましては、平成30年度に改修工事を予定しており、これをもちましてすべての支所庁舎の耐震補強および改修工事が完了する見込みとなっております。

 次に「産業・観光振興」分野でございます。

 平成28年12月期の高島市の有効求人倍率は1.07倍となっており、いくらか改善してきておりますものの、滋賀県の1.34倍、全国平均の1.43倍を大きく下回る状況が続いており、地域産業の振興と市内企業の経営強化が喫緊の課題となっております。このため、企業活動支援事業を延長し、設備投資・雇用促進ならびに労働環境整備に対する支援を継続し、雇用創出と地域経済の活性化を図りますとともに、引き続き企業誘致に積極的に取り組んでまいります。

 また、これまで進めてまいりました「会員制リゾートホテル」の工事がいよいよ今年、着工を迎えます。平成27年10月にリゾートトラスト株式会社と締結いたしました「会員制リゾートホテル事業の展開に関する協定書」に基づき、新たに見込まれる約250名の雇用はもとより建設および事業活動にあたりましては、地元企業の活用をお約束いただく等、高島市の地域活性化に向けまして大いに期待をしているところです。また、この機会に、農業政策におきましては、たかしま野菜の特産品づくりや生産拡大にも取り組みますとともに、高島屋百貨店との連携によります特産品の販売戦略の構築にも力を入れてまいります。

 観光振興におきましては、市内の優れた自然環境を活かしながら、マキノピックランドや新旭風車村等の改修に取り組み、この地を訪れていただく観光客の皆様の満足度を高め、そして、各観光スポットをネットワークでつなげる事業展開の実現を図ってまいります。また、昨年から台湾を中心に、日本遺産など本市の観光資源を活用した「インバウンド誘客促進事業」に取り組んできたところでありますが、さらにそうした取り組みを継続いたしますとともに、特産品の海外輸出にも力を注いでまいります。

 また、大正6年に今津で誕生しました「琵琶湖周航の歌」が、100周年の節目の年を迎えますことから、県を中心に関係市町、文化関係団体、あるいは観光関係団体などと連携し、歌の魅力を広く発信をしてまいります。市といたしましては、「琵琶湖周航の歌生誕の地」として、県との共催による記念式典の開催や100周年記念交流会の開催を通じ、歌の魅力はもちろん、高島市の魅力も全国にPRし、誘客促進につなげてまいりたいと考えております。

 次に「子育て・教育・女性」分野でございます。

 保育園・幼稚園運営事業では、多子世帯の保育料等の負担軽減を図るため、平成28年度からは、全世帯の第3子以降の保育料を無料としたところですが、平成29年度は、さらに第2子につきましても第3子以降の支援策と同様に完全無料化の拡充をいたします。また、妊娠期から子育て期にわたり、子育てに関する不安を軽減することにより、虐待の防止や健やかな乳幼児の成長を促すことを目的に、妊娠期から子育て期において切れ目のない支援体制をとることができるよう、新たに「妊娠・出産包括支援事業」を創設いたします。

 教育におきましては、「学力向上アクションプラン」に基づく個に応じたきめ細かな学習指導を行い、児童生徒の学力の向上を図りますとともに、これまで進めてまいりました各学校の空調施設やトイレ改修も平成29年度でほぼ終えることになり、新年度は新たに今津北小学校大規模改造工事に着手する予定となっております。

 男女共同参画の実現に向けましては、高島市働く女性の家を中心に、女性の就労・起業の支援、育児・介護についての助けあい活動、さらには女性グループのネットワークづくりといった事業により、女性の活躍やチャレンジを支援してまいります。

 次に「医療・福祉・スポーツ振興」の分野でございます。

 高島市民病院の産婦人科につきましては、高山病院事業管理者の大変なご苦労により、新年度におきましても分娩の取扱いを継続できる体制が整ったところであります。人口減少、少子化対策の観点からも、この地域で安心して産み育てられる環境をつくるため、周産期医療体制の充実・強化に引き続き取り組んでまいります。また、実施初年度となります「新高島市民病院改革プラン」に基づき、経営改革の数値目標達成に向け、病院スタッフが一丸となって経営改善に取り組みますとともに、地域の医療機関との連携のもと、地域完結型医療の推進、在宅医療の充実により、地域で安心して医療を受けられる環境整備に取り組んでまいります。

 福祉分野では、社会的・経済的に弱い立場にある障がい者やあるいは要援護高齢者が健康でいきいきと暮らせる環境を整備し、地域全体で支えていくことも大きな課題でありますことから、引き続き医療費の助成を行いますとともに、交通利用助成事業により、生活行動範囲の拡大と社会参加を支援してまいります。

 スポーツ振興でございますが、健康づくりや体力づくり、また、競技スポーツの場としてご利用いただいております市内の体育施設につきましては、長寿命化計画に基づき、老朽化の著しいかつ緊急度の高い施設から計画的な修繕・改修工事を実施してまいります。新年度におきましては、今津総合運動公園のテニスコート、大型遊具、グラウンド照明、プールの屋根塗装などの大規模改修を予定しているところです。また、高島の自然を活かした様々なスポーツイベントの開催により、市民の皆様の健康増進につなげますとともに、平成36年に本県で開催されます第79回国民体育大会に向けまして必要となります諸準備等にも取り組んでまいります。

 次に「防災・環境・文化振興」でございます。

 全国各地で頻発する大規模災害に備え、市民の生命や財産を守るためには、地域防災力の向上が不可欠であります。各区・自治会におけます自主防災組織の育成を図りますとともに、各種防災訓練や防災出前講座等を通し、風水害・地震・原子力災害の「減災」への取り組みなど、防災意識の高揚に努めてまいります。また、大雨による河川増水時の水位の状況などをリアルタイムで把握し、より適切に市民の皆様に避難情報などを発信することで、今まで以上に安全な避難行動につなげていただけるよう、新たに5つの主要河川に河川防災カメラを整備いたします。

 また環境分野でございますが、環境センターにつきましては、ダイオキシン類の基準超過の再発防止策として、安定稼働の徹底を図るため、緊急性の高い設備の補修工事を実施をしてまいります。また、将来の後継処理施設につきましては、単独設置や民間委託等の方策につきまして、あらゆる角度から引き続き調査・研究を重ねてまいります。

 文化振興でございますが、観光振興、誘客促進と連携しながら、3つの重要文化的景観などの適正な保存・整備・活用を推進してまいります。平成29年度は、大溝城本丸跡の発掘調査、針江のカバタの保存修理への補助を予定しております。

 次に「生活基盤整備」でございます。

 市民の皆様の暮らしや生活、地域経済を支える基盤であります国道161号・303号・367号、また、主要な県道につきましては、関係団体ともしっかり連携しながら、国や県に対しまして、早期整備に向けしっかりと要望してまいりたいと考えております。一方、市道の整備につきましては、高島市道路整備プログラムに基づき、計画的に必要な整備を進めてまいりますが、市内に現在670か所ございます橋梁のうち建設後50年を経過したものが545橋ございます。実に全体の81.3%を占めておりまして、その安全性の向上と長寿命化が大きな課題となっておりますことから、橋梁の定期点検を168橋、補修工事と設計を17橋予定しております。

 また、この冬は、大変な寒波、大雪に見舞われ、市内の各所で交通渋滞などが発生をいたしました。冬期の安全で安心な通行を確保できますよう、防雪対策が必要な路線について、とりわけ今津地域は市内の他地域に比べ、消雪施設の整備が遅れておりますことから、計画的に消雪施設の整備を行うこととし、新年度は市内で消雪井戸水源調査を4か所、消雪設備の整備工事等を9か所予定しているところであります。

 次にJR新旭駅のバリアフリー化につきましては、JR西日本が平成30年度中の完成を目指し、実施設計等を進めていただいているところであり、関連いたしまして新年度は先行する形で、駅利用者の利便性向上のため、トイレの移設・バリアフリー化工事を実施してまいります。また、マキノ駅につきましても、利用者の利便性の向上や観光地としての機能の充実を図るため、駅前にバリアフリートイレを新設いたします。

 住宅の耐震化でございますが、市内木造住宅の耐震化率は、71.2%となっておりまして、県内13市の中で11番目低い耐震化率となっております。安心で快適な暮らしの基盤整備、防災対策の観点から、今回、木造住宅の耐震化に向けた支援制度を見直し、新たな補助を含めた制度の拡充を図ることといたしました。

 下水道事業につきましては、今後、人口減少等に伴います料金収入の減少などが経営を圧迫することも容易に予想されますことから、経営の健全化をなお一層進めるため、本年4月から地方公営企業会計へ移行することといたしました。水道事業とあわせまして、将来にわたり安定的なサービスが提供できるよう、中長期的な視点に立った計画的な施設更新と経営基盤の強化を図ってまいります。

 最後に市役所改革の継続でございます。

 平成26年度に行財政改革計画を策定し、進捗状況や効果を検証しながら、確実な推進を図っているところであります。こうした中で、類似団体あるいは県内他市と比較して非常に多い状況にあります公共施設の再編が喫緊の課題となっておりますことから、平成36年度までを計画期間とした「高島市公共施設再編計画」を策定し、公共施設の見直し、再編に取り組んでまいります。

 また、組織体制の見直しを行い、広範な事務を担当する「健康福祉部」を分割し、子育てに関連する事務を中心に担っております「子ども局」を「子ども未来部」に格上げをさせていただき、事業推進体制の充実強化を図ってまいります。さらに、将来を担う職員の人材育成や意識改革、選択と集中による事務事業の見直しにも引き続き取り組んでまいります。

 そして本年7月から、コンビニエンスストアで住民票の写し、印鑑証明書、所得証明書などの各種証明書の交付が受けられるサービスを開始する予定であり、住民の皆様の利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。

 以上、私にとりまして2期目初年度となります平成29年度は、これまでから申しておりますように平成27年10月に5年間の計画期間として策定いたしました「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の折り返し点ともなり、また同時に、第2次高島市総合計画の初年度となるため、将来の高島市のあり方を左右する大変重要な節目となりますことから、これまでの4年間の取り組みを継続・発展させながら、次の世代に自信と誇りを持って引き継ぐためにも持続可能なまちづくりにしっかりと取り組んでいく所存です。

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