平成25年度施政方針(平成25年6月定例会)

更新日:2023年03月31日

 ただいま上程されました 議第45号から議第58号までの提案説明に先立ちまして、先の3月定例会でご審議いただきました平成25年度当初予算は、骨格予算による編成でありましたために、今期定例会におきまして、改めまして具体的な政策に関わります事項について、ご提案させていただいておりますことから、この機会にお許しをいただき、その施政方針の一端を申し述べさせていただきます。

 さて、私も高島市長に就任させていただき、早、4か月を迎えようとしているところでございます。
 この間、本当に多くの市民の皆様との面会や市内各地の行事への参加、あるいは市内各施設の視察等を通じ、数々の貴重なご意見やご提案をいただいて参りました。
 また、4月には山口副市長、富永教育長を迎え、同時に職員の人事異動によります新たな組織体制も整えさせていただき、これまでの間、 6月定例会に向けまして、各部局との政策議論を重ね、また3月定例会での一般質問等を通じ、議員各位のご意見、ご提案も踏まえながら、取り組むべき施策を構築させていただいたところであります。

 それでは、施政の主な取り組みの方向性について、申し上げます。

 まず、「市役所新庁舎の新築移転の凍結」および「サッカー場建設計画の凍結」の2つの課題に対する取り組みでございますが、まずは庁内関係職員によりますプロジェクトチームをそれぞれ立ち上げ、今後の財政状況も含め、様々な角度からの課題の洗い出しや分析、検討などの取り組みを始めさせていただいたところでございます。
 今後の検討状況を踏まえながら、議員各位はもとより、市民の皆様にもご説明申し上げ、出来るだけ速やかにその方向付けを行って参りたいと考えております。

 次に、各行政分野別の政策についてでありますが、1点目に「医療・福祉・介護」分野でございます。

 まず、医療の充実を図るため、このほど健診センターの整備も完了し、グランドオープンいたしました高島市民病院の経営の健全化を図るとともに診療体制の充実に取り組むこととし、その一環として地域の医療機関や3次医療機関とのより一層の連携、さらには在宅医療の充実につなげるため、滋賀県医療情報連携ネットワークに参加いたしますとともに、より高度な医療体制を整えますために県立成人病センターを中心とした遠隔病理診断ネットワークにも参加し、その充実を図って参りたいと考えております。
 また、これまで第1種へき地診療所として地域医療を担って参りました「高島市国民健康保険朽木診療所」の施設が建設から39年が経過し、今後の地域医療施設としての充実を図るため、新たな施設整備を予定しております。
 福祉・介護でございますが、高齢者の健康増進や疾病の予防を図るための各老人福祉センターやデイサービスセンターの必要な施設改修を行うほか、高齢者や障がい者の皆さんの日常生活支援やあるいは介護されておられます家族の負担軽減を図るための住環境の整備経費に対する助成、さらには、高島市第5期介護保険計画に基づき、民間事業者が実施されます認知症高齢者グループホームの施設整備に係る支援を行って参ります。

 次に、2点目の「産業・観光振興」分野でございます。

 最近の経済情勢におきましては、企業業績の回復が言われておりますが、市内に目を向けてみますと、まだまだ雇用状況も含め、厳しい状況が続いております。
 こうした中にあって、企業活動支援関係の助成金等につきまして、平成26年度まで2年間延長することとし、引き続き各企業の活動を支援し、雇用促進等にもつなげていきたいと考えております。
 また、住まい手応援等住宅改修支援事業につきましても様々なご意見、ご提案を踏まえまして、2年間延長させていただきますとともに市民の皆様にとりまして、より分かり易く活用いただきますため、類似事業の整理を行い、その改善を図ることとしております。
 高島農作物の販路拡大のための戦略といたしましては、「生産、認証・PR、流通・販売」の各キーワードを有機的に関連性を持たせながら一貫して取り組むこととしております。そのためにも新たに畑作野菜の生産振興や施設園芸等の支援制度も創設し、農産ブランド認証制度の充実や推進店の拡大による地産地消の推進、新たな市場開拓等を図って参ります。
 また、高島市の重要な観光資源の一つである「高島トレイル」につきましては、さらに誘客促進を図りますとともに、市内10施設にも及ぶアウトドア施設が一体となったPR活動を推進し、効果的な運営が図れるよう組織の設立支援を行って参りたいと考えております。

 次に、3点目の「防災・環境」分野でございます。

 市民の皆様が安全で安心して暮らしていただける環境を整えることが市政運営の基本であると考えているところであり、そのためにも、まずは原発事故に対する対応等に関しまして、去る4月5日に原子力発電事業者との安全確保等に関する協定の締結を行い、高浜原子力発電所に係ります安全協定の未締結という課題が残りますものの、ようやく原発への備えのスタートラインに立ったものと認識しております。
 らに、並行いたしまして国の防災基本計画や関連法令の改正を受けて、高島市地域防災計画(原子力災害対策編)の全面的な改正を行わせていただき、防護対策や避難先等の住民避難計画を新たに策定したところでありますが、今後におきましては、滋賀県の避難計画等も踏まえ、必要な場合は見直す等、市民の皆様により解りやすく国や県との整合が図れる計画内容となりますよう適切に対応して参りたいと考えております。
 また、治水対策における河川整備対策についてでありますが、県におきましては、今後県全体の流域治水の推進に関します条例制定が目指されておりますが、高島市にとりましては、それ以前に湖西圏域の河川整備計画が未策定でありますことから、県において早期に策定されますよう、積極的に要請して参りたいと考えております。
 また、我が国におけますエネルギーをめぐる状況は大きく変化しており、特に原発に代わる代替エネルギーとしての太陽光発電や小水力発電など再生可能エネルギーの必要性が高まっています。
 このため、住宅用太陽光発電の設置に対します支援は継続するほか、本年度新たに、事業所用太陽光発電の設置に対しても支援いたしますとともに、農業水利施設等を活かした環境にやさしい小水力発電の活用検討や普及啓発を行います。
 さらに、災害時の防災拠点となる市の消防本部には本年度、太陽光発電設備を設置し、非常時に備えますとともに、自家消費電力としての節電効果も期待するものでもあります。

 次に、4点目の「教育・文化・スポーツ・子育て支援・女性」の分野でございますが、これらにつきましては、未来を担う子どもたちに対する特に重要な事項でございます。

 市内の小・中学校の子どもたちにとりまして、安全で快適な学習環境を確保するため、計画的にエアコン整備およびトイレの洋式化に取り組むこととし、本年度は必要な工事の実施設計を予定しております。
 また、いじめ問題の発生や不審者の侵入等、教職員が緊急時に連絡を取り合い、迅速に対応するため、順次、PHS式の校内通信設備を配備いたします。
 新たにいじめ対策事業といたしまして、専任のカンウンセラーを設置いたしますとともに、いじめの未然防止、早期発見、早期対応の取組みを推進することとしております。

 なお、いじめ防止に関します条例の制定に向けた取り組みにつきましては、国における「いじめ防止対策基本法」の制定状況等の動きを注視しながら、庁内で教育委員会と福祉部門が連携し、引き続き検討をして参りたいと考えております。
 また、少子化の現状を踏まえ、子どもたちにふさわしい教育環境を整えるためにも、市内小規模校の統廃合も含めました今後のあり方について、早急に検討し、その方向が示されるよう 既に教育委員会に要請したところであります。
 子育て支援対策の一環といたしましては、中学生までの医療費の無料化を目指し、まずは小学生から中学生までの入院費の無料化を制度化し、保護者の負担軽減を図りますとともに、私立保育園における3歳児に対する保育士の特別配置と保育士の処遇改善に要する経費について支援を行うこととしております。
 さらに、市民参加型の育児サービスを充実させるため、会員同士が育児を助け合うファミリー・サポート・センター事業を行う団体に対して補助を行います。
 また、平成27年度から国において「新しい子ども・子育て支援制度」が実施されることから、高島市におきましても、これからの10年間を見据えた「高島市子ども子育て支援事業計画」を策定する必要があり、そのため本年度は、基礎調査を実施するとともに、「高島市子ども・子育て会議」を設置して計画策定を進めることとします。

 最後に、5点目の「一体感のあるまちづくり」の分野でございます。

 私の市政運営につきましての基本的な考え方である「市民の皆様の声に耳を傾け」「市民の皆様と同じ目線」で、市民参加による市政運営を実現するための仕組みとして、新たに「市政モニター」制度を創設いたします。
 また、生活環境の整備では、高島市の基幹道路である国道161号・303号・367号、加えて主要な県道は、市民生活や産業・観光振興など地域経済を支える重要な道路であります。

 また同時に、原子力発電所に隣接いたしますとともに琵琶湖西岸断層帯や花折断層の地震発生時には、緊急避難、緊急輸送道路として、市民の生命と財産を守るためにも、これらの基幹道路の早期整備が喫緊の課題と認識しているところであり、国や県に対しまして、しっかりと要請して参りたいと考えております。
 一方、市道整備につきましても、緊急度、優先度等を考慮し、継続・新規改良事業の推進をはじめ、とりわけ橋梁長寿命化修繕事業につきましては耐震化も含め、緊急に改修が必要な箇所を特定し、前倒しで必要な整備を図ろうとするものであります。
 その他、東日本大震災を教訓にした水道施設の耐震化を進めるための水道事業基本計画の見直し、さらには下水道特別会計の公営企業会計移行への基本方針と基本計画および長寿命化計画の策定を行うこととしております。

 以上、今期定例会に提案させていただいております各議案等の内容を踏まえ、その概要の一部を申し上げましたが、行政の各般において、課題が山積しておりますことから、それぞれの関係部局が必要な情報を共有し、しっかりと連携を図りながら市民の皆様にとりまして必要な施策の展開を図って参りたいと考えております。

 今後とも、市民の皆様とともに、高島の未来をしっかりと見据えながら、市民の皆様の生活を守り、そして次の世代へ誇りを持って引き継いでいける確かな高島市を目指し、精一杯、取り組ませていただきたいと考えております。

 議員各位におかれましては、より一層のご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

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