市長記者会見(平成27年12月16日開催)「高浜発電所に係る原子力安全協定等について JR湖西線の防風対策について」

更新日:2023年03月31日

日時:平成27年12月16日(水曜日) 午後2時00分~
場所:市役所2階会議室

 平成27年12月16日、滋賀県が関西電力株式会社との間に高浜原発に関する安全協定を締結する見通しとなったことを公表したことを受け、市長会見を行いました。

高浜発電所に係る原子力安全協定について

 ご用意した資料に基づき経緯を含めて説明させていただきます。

 まず、1ページの1に記載されていますように、「協定については、滋賀県および関西電力の間で締結する。」ということです。
 これまで高浜発電所については、高島市域の一部が30キロメートル圏内にかかるということで、2年半にわたり関西電力と協議を重ね、少なくとも隣々接並みの安全協定の締結をお願いしてきたところであります。
 最終的に、協定については県と関西電力との間で締結するということで、現時点で一定の決着をさせていただいたところです。協定の内容は、後ほど説明をさせていただきます。

 では市は、具体的にどうするのかと申しますと、関西電力と県との間で協定を結ばれた上で、県と高島市との間で、情報共有等の確認書を取り交わすことになります。
 私としましては、県とのこの確認書でもって、事実上の安全協定を締結したものと受け止めさせていただいたところです。

 協定に含まれない行為(項目)として、安全性の確認、原子炉施設等の重要な変更に対する事前説明、原子力発電所に特段の措置を講ずる必要性が生じた場合の内容説明ですとか、万が一の事故後、運転を再開する際の事前説明があります。
 こうしたものについては、県内すべての市町で構成する「滋賀県原子力安全対策連絡協議会」において、全ての自治体が情報を共有することになり、ここには、原子力事業者も出席することになります。

 また、安全協定の内容については、これを締結したらそれで終わりということではなく、私の受け止め方としては、これを一つのスタートラインとし、今後、必要に応じて安全協定や確認書の内容を見直ししていくということです。
 では高島市として、原子力事業者との間に(直接)安全協定を締結することをあきらめたのかという疑問も生じることでしょうが、決してあきらめたわけではなく、環境が整い次第、改めて原子力事業者と県、そして高島市との間に安全協定を結んでいただこうというスタンスに変わりありません。

 次に、資料の2ページをご覧いただきますと、これまでの経緯の整理がございます。
 平成25年4月に、高浜原発以外の原発における安全協定を締結させていただいております。
 高浜原発については、継続で協議をしてきたということです。

 平成25年3月、高島市議会でも、高浜原発に関する協定締結についての県への意見書が採択されております。それ以降、およそ2年半にわたって、代表者会議において、高浜原発の安全協定について、事務レベルで議論を重ねてまいりました。
 そうした中、先日、13日に県知事、長浜市長、そして私の3者で意見交換をしまして、安全協定の内容について協議をいたしました。その後代表者会議において安全協定の枠組み案を決め、それぞれが持ち帰り、高島市長として、その案を了承したところであります。

 3ページをご覧いただきますと、原子力発電所に係る安全協定書等の項目比較表です。
 かねてから、再稼働の是非を含めた関係者の意向を反映させるためには、立地自治体並の協定が必要だという意見もあります。
ご覧のとおり、立地協定は全ての項目が備えられております。
 隣接協定については、高島市においても敦賀発電所、もんじゅ、ふげん、大飯、美浜が隣接となりますので、この該当項目について、平成25年4月に安全協定を結んでいます。
 隣々接協定は、平成25年4月に、長浜市が美浜原発について事業者と結ばれた内容です。
 ご覧のとおり、立地、隣接、隣々接の自治体で、協定内容が異なっているというのが実態です。

 5ページをご覧ください。
 福井県に立地する発電所の状況を示した図です。
 発電所は、敦賀発電所(もんじゅ、ふげん)、美浜発電所、大飯発電所、高浜発電所と4ヵ所ございます。
 例えば敦賀発電所を中心に、水色の円が描かれておりますのは、施設から半径30キロメートルのUPZ圏を示しています。
 高島市の場合、敦賀発電所は隣接する敦賀市に立地することから隣接協定に、美浜発電所も美浜町と高島市が隣接しているため、これも隣接協定になります。大飯発電所についても同様です。
 高浜発電所については、UPZ圏内に高島市の生杉の辺りがかかります。
しかし、発電所が立地する高浜町は、おおい町を挟んで高島市と接することになるため、隣々接という扱いになります。

 福井県内でも、例えば敦賀発電所については、隣接する南越前町を挟んで隣接する(=隣々接)越前町とは、隣々接協定を締結しています。
 しかし、敦賀市と隣接する南越前町にこちらも隣接する越前市は、同じ隣々接の関係であっても協定の締結がされていませんし、同様に池田町も、隣々接の関係でありながら協定が締結されていません。
 このように福井県内でも、隣々接協定が結べている自治体と、結べていない自治体が混在していることになります。
 高浜発電所の場合、隣接自治体は、(京都府)舞鶴市、綾部市、(福井県)おおい町になります。一方、例外的な自治体ということで、(京都府)伊根町については、隣々接ではないものの、高浜原発のUPZ圏内にある自治体という位置づけがなされ、京都府との間に確認書が交わされています。

 これを踏まえて、4ページの中ほど、「美浜(隣々接)」という部分をご覧ください。
 この資料は、平成25年4月に締結した安全協定の協定項目を示しています。
 実線枠で囲まれた、「平常時の連絡」、「地域防災対策との連携」などの4項目は、隣々接の協定内容を示し、点線枠の「輸送計画連絡」は、協定書の内容には盛り込まれていないことを示しています。
 一方、右側の「大飯、美浜(隣接)」という部分は隣接協定の内容です。
 先の隣々接の協定項目に加えて「輸送計画連絡」や「発電所の現地確認」、「重要な変更計画の報告」が含まれていることを示しています。

 さらに、資料の一番左側の欄をご覧ください。

 これは今回、県と関西電力が締結する、高浜原発に関する安全協定の内容を示したものです。
 まず、最下部の項目について、平成25年4月の時点で、異常時には連絡を行うという約束事がありますので、これは既に確認ができております。
 その上に、「損害の補償」から「輸送計画連絡」までの項目がありますが、これは隣々接協定の内容と同等のものです。
その上に「原連協」という記載がありますが、これは先ほど、滋賀県内全市町と県、事業者で組織をする「滋賀県原子力安全対策連絡協議会」で行う安全確認と情報共有のことを示しています。
 さらに、その上には「琵琶湖への配慮」という記載がありますが、琵琶湖水質のモニタリングや水質調査について事業者が協力することや、協定内容のステップアップについても、今後議論をしていきましょうということが示されています。

 最後のページに、京都府における安全協定の例を掲載しています。
 本年2月27日に、京都府と関西電力が隣接協定を結ばれました。
 舞鶴市におきましてはかねてから関西電力との間に隣接協定が結ばれています。

 今回、関西電力と京都府が隣接協定を結ばれ、その上でそれぞれの自治体とは確認書を交わされて整理が付けられたところであります。

 よって、今回の我々の協定は、京都府のようなスタイルに落ち着かせていただいたのかと考えております。

 協定内容については、これから文言も含めて詳細の検討、議論を重ねていくわけでありますけれども、一部の報道によりますと、年明けにも県と関西電力との間で協定が締結されるのではと想定されるところです。

 高浜原発にかかる所感については以上です。

JR湖西線の防風対策について

 続きまして、JR西日本の資料に基づき説明をさせていただきます。

 JRには、これまで湖西線のおよそ4.2キロメートルの区間で強風対策を行っていただきました。

 資料2にございますように、志賀から比良間の山側、沿線2.5キロメートルについては、既に着工されており、来年2月初旬に完成予定です。
 これに、志賀から蓬莱間の3.3キロメートルが今回追加され、平成28年度中に完成予定です。
 また、近江中庄からマキノを超えて永原間の3.4キロメートルを平成29年度中に、さらに永原から近江塩津間の1.2キロメートルについても、平成29年度中に強風対策を行うことになりました。

 地図をご覧いただきますと、「風の流れ」という矢印が記載されておりますが、近年、強風の風の道が、昔とはかなり様変わりをしております。以前は北小松から比良間で集中的に強風が起こっていたのですが、近年の気候変動で風の流れが少し変わってきています。
 これによれば、強風域が南下をしているのと、北部のマキノ駅周辺で非常に強い風が吹くということで、このあたりを平成28年度、29年度で着工いただくということになります。

 防風柵の仕様と効果については、風の遮へい率が60%、柵の高さが2メートル程度となります。
 これに基づく強風規制値の見直しにより、防風柵のないところでの運転見合わせ基準が、現行で25メートル毎秒、徐行運転は20メートル毎秒であるところ、防風柵を設置することにより、それぞれ5メートル毎秒の加算がされ、現行の上限値よりも引き上げられることになります。
 これにより、運転見合わせ時間は概ね1/3以下になる見込みであるということです。

 JR湖西線の強風対策につきましては、これまで、何回もJRに要望を重ね、整備を求めてきたところですが、ようやく実を結んで具体的な実施計画を作っていただいたと受け止めています。
 市民の皆さん、あるいは、通学通勤にご利用いただく皆さんにとりましても、非常な利便性向上につながることと、重ねてJR西日本には感謝を申し上げるところです。

 皆さんにも、大いに湖西線をご利用いただけたらと思います。

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