日米共同訓練に係る見解表明 平成25年9月27日WEB市長室

更新日:2023年03月31日

 来たる10月7日から18日までの間、饗庭野演習場で実施されます日米共同訓練に対します私の見解を述べさせていただきます。

 市民の皆様もご承知のとおり、この饗庭野演習場は、明治19年に旧陸軍の演習場として使用に供されて以来、120年余りという大変長い歴史の中で、幾多の変遷を重ねられながら、現在の陸上自衛隊今津駐屯地として存在し、そして高島の地に住む私達は、こうした歴史を受け入れ、共に歩んでまいりました。

 そのような中で、これまでから水害や豪雪などの自然災害時における救助活動、あるいは遭難者の捜索活動など、幾度となく高島市民の安全、安心を守り、そして、お支えいただいてきたところであります。
 また、今回の台風18号の影響によります記録的な豪雨の中で、鴨川の堤防が決壊するといった非常事態に陥り、直ちに県へ自衛隊派遣の要請をいたしますとともに、私から直接、陸上自衛隊今津駐屯地司令に派遣要請いたしましたところ、県からの正式要請が、遅れる中にありましても、司令からは自主支援で対応するとのご英断をいただき、すぐさま陸上、航空の両自衛隊員に駆けつけていただき、そして孤立世帯への救出活動によりまして、28人の人命救出にあたっていただきました。

 本当に今回の災害によりまして、人命に至る被害が発生しなかったのは何よりであり、自衛隊の皆様の危険を顧みず、迅速かつ見事な機動力をもって救出活動に専念いただきました事に対しまして、改めて心から感謝申し上げる次第でございます。

 さて、今回饗庭野演習場で実施されます日米共同訓練は、昭和61年度に実施されましてから、13回目を迎えることになる訳でありますが、まず、私どもが最初に情報を把握いたしましたのは、本年5月23日に陸幕広報室から、第一段の訓練大要によりまして、今年度は陸上自衛隊と米海兵隊との日米共同訓練が、中部方面隊と東部方面隊で実施する方向で検討が進められているという発表によるものでございました。

 その後、第二段の訓練大要や概要も示されない状況の中で、去る8月22日に一部報道機関により、「政府関係者によると、日米両政府は、滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野演習場で10月上旬から中旬にかけて実施する日米共同訓練でオスプレイを使用することで最終調整に入った。」との報道がなされたところであります。

 市といたしましても、直ちに近畿中部防衛局に事実確認等を行いましたが、具体的な内容などは示されず、その後の9月6日には、10月上旬から中旬にかけて饗庭野演習場において、MV-22オスプレイを使用した日米共同訓練の実施が日米両政府で決定されたとする訓練大要が公表され、その旨の説明を受けたところであります。

 この時点におきましても、まだ具体的な訓練日程や訓練内容および安全対策などの詳細が示されなかったことから、9月10日には、小野寺防衛大臣に対し、滋賀県知事とともに直接お会いした上で、それまでのマスコミ報道の経過や、オスプレイの安全性など、14項目にわたり、政府の見解等を確認させていただいたところであります。

 大臣からは、饗庭野演習場に決定された背景や、オスプレイについては日本政府としても安全性を確認されている根拠、さらには、日米共同訓練の実施に際し、安全対策や地元住民説明などについても、防衛省が責任を持ってあたること等の丁寧な説明をいただき、その後9月13日には改めて文書による回答をいただいたところであります。

 そうした経緯を経る中で、去る9月24日には、訓練概要が公表され、近畿中部防衛局長から訓練期間、参加部隊の人員規模、主要装備の内容に加え、期間中の訓練日程とオスプレイを使用する訓練内容等、これまでの概要に見られない詳細な説明を受けたところであります。

 その際には、改めまして今回の概要が示された時期が訓練開始まで、時間が余りにも少ない旨の遺憾の意をお伝えするとともに、低空飛行や夜間飛行、あるいは演習場外の市街地上空での訓練の有無や、万一の場合における日米地位協定上の対応等につきましても最終確認させていただいたところであります。

 一方、これまでの経緯の中で、今回の日米共同訓練に対しましては、市内外の各団体の皆様からオスプレイの安全性の問題などを踏まえ、市長として反対の表明をすべきでありますとか、あるいは断固拒否すべきといった要請文書もいただいております。

 また、8月22日の報道以来、市内外から電話やメールによりまして、これまで25件のご意見が寄せられ、そのうち6件が反対とのことでありました。

 その上で、昨日には、防衛省によります説明をお聞きいただきました市民を代表する市議会議員の皆様からも、今回の日米共同訓練の実施に対します様々なご意見をお伺いさせていただきました。

 私としましては、防衛問題は、一義的には国の専管事項と考えておりますが、我が国を取り巻く様々な国際情勢の中で我が国固有の領土を守り、そして日本の平和と安全を願う思いは、市民はもとより国民全体で共有しなければならないテーマであり、また沖縄県の基地負担軽減問題も共有すべき課題であると考えております。

 その上で、今回の日米共同訓練の実施に際しましては、国が責任を持って万全の安全策を講じる等の約束もいただいていることなどの状況を総合的に勘案し、この度の饗庭野演習場での日米共同訓練につきましては、地元高島市長として反対するものではないという判断に至りました。

 市民の皆様の安全と安心を確保する責任のある立場の私といたしましては、今後とも日米共同訓練の実施に際しましては、政府の責任において安全対策は勿論でありますが、併せまして市民生活に支障をきたすことのないよう万全の措置を講じていただけるよう、来週早々にも、防衛省をはじめ関係機関等に対し、要請を行ってまいることといたします。

 以上を持ちまして、今回実施されます日米共同訓練に対します私の見解とさせていただきます。

 平成25年9月27日

 高島市長 福井 正明

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