画像診断センター

更新日:2023年12月28日

 画像診断センターは、放射線科の常勤医師1名、非常勤医師3名と医療技術部の診療放射線技師、臨床検査技師で構成されており、看護部とも協力しながら各種放射線画像検査および生理検査を行っています。
 画像検査は、病気の診断や重症度の判定、治療経過の観察など現代の医療には欠かせない検査となっています。当センターでは診断・治療に最適な画像を提供できるよう常に知識・技術の向上に取り組んでいます。また、夜間、休日においても必要な検査が実施できるよう体制を整えています。
 ここでは放射線部門が携わる検査を紹介させていただきます。

一般撮影

 一般撮影はX線を用いて胸部や腹部、骨、関節などを撮影して形態的な異常がないかを確認する放射線部門では最も基本的な検査です。古くからはレントゲン撮影と呼ばれていました。臓器や組織を透過するX線の吸収の度合いを白黒画像として表示します。病室から移動するのが難しい患者様には移動型の簡易な撮影装置で病室へ出向いて撮影を行うこともあります。
 当センターの一般撮影装置は検出器にフラットパネルを用いたもので、低い線量で高精細な画像が得られ、簡便に迅速な撮影が可能です。

CT検査

 CT検査は体の周囲から連続的にX線を照射して臓器のX線吸収の違いをコンピューター処理し輪切りの画像にする検査です。検査の目的によっては、造影剤というお薬を用いることがあり、これによって病巣の拡がりを見たり、血管を強調させたりすることができます。
 当センターのマルチスライスCT(64列)は、1度に複数枚の断層画像をより細かく撮影することが可能で、検査目的の臓器をより短時間に撮影することができます。また、細かな断面を撮影することで、そのデータをもとに様々な角度の断面を表示させたり、血管や骨などを立体表示(3D)させたりすることが可能です。

CT
CT2

MRI検査

MRI

 MRI検査は強い磁力と電波によって身体の任意の断面を画像にする検査です。主に、脳や脊髄、腹部、乳房、血管などの軟組織を見やすく描出することが可能です。
 MRI検査はX線を使用していないので放射線被ばくの心配はありませんが、特有のリスクが存在します。当センターでは磁場強度1.5テスラのMRI装置を使用していますが、磁力に影響される機器を身体に埋め込まれている方は検査ができないことがあります。色素に鉄分を含む刺青をされている方はその部位にやけどや色調の変化が起こる危険性があります。MRI検査は狭いトンネル内に入って行うため狭いところが苦手な方は検査できないことがあります。当センターではこれらの情報を正確に把握するため、事前に問診票および検査同意書を取得させていただき、安全にMRI検査を実施するよう取り組んでいます。

超音波検査

 超音波検査は体内へ超音波をあて反射して戻ってきた成分を断面画像に変換して観察する検査です。主に肝臓、胆嚢、腎臓などの腹部臓器や甲状腺などの体表臓器、四肢の血管を対象に検査を行っています。非常に安全で簡便な検査で、ベッドサイドに装置を持ち込んで繰り返し行うこともできます。
 肝臓の腫瘤性病変に対しては超音波用の造影剤を用いた造影検査も行っています。また、当センターの装置は肝臓の繊維化や腫瘤の硬さを測定するエラストグラフィを搭載しており病変の質的診断に役立てています。

核医学(RI)検査

RI

 核医学検査は特定の臓器や組織に集まりやすい性質を持った放射性医薬品を体内へ投与して、そこから放出される放射線(ガンマ線)を体外からガンマカメラという専用の機器で検出して画像にする検査です。CTの原理を用いて断層画像を撮ることもあります。放射性医薬品の分布や集積量、負荷前後の変化などから臓器の機能や代謝状況を評価することができ病気の早期診断が可能になります。
 核医学検査は放射性医薬品の種類によりSPECT検査とPET検査に分けられますが、当センターではSPECT検査のみを行っています。

X線透視検査

 X線透視検査はX線を利用して体内の状態をリアルタイムで観察しながら撮影を行う検査です。必要に応じて検査目的に適した造影剤を使用します。食道・胃・小腸・大腸などではバリウム等を用いて粘膜の状態や形態を撮影したり、造影剤の通過状況を観察したりします。患者様が乗られる撮影台は立位から仰向け、逆傾斜など様々な体位がとれるよう起倒する仕組みになっています。
 X線透視検査は様々な場面で利用されており、内視鏡検査や超音波検査と併用して診断のみならず治療行為に用いることもあります。
 当院では画像診断センターと内視鏡センターの計2台のX線透視装置が稼働しています。

血管造影検査

 血管造影検査はカテーテルという細い管を腕や足の付け根の血管から目的の部位まで進めていき、そこから造影剤を注入してX線撮影することで血管の異常を観察する検査です。主な検査対象部位は、脳の血管や心臓の冠動脈、腹部や四肢の血管になります。観察だけでなく細くなった血管やこぶ状に膨れた部分をカテーテル経由で治療することも症例によっては可能です。当院の血管造影装置は血管を3次元的に撮影することができます。これにより、複雑に走行する血管の観察が容易に行え、診断・治療の精度が向上します。

マンモグラフィー検査

 マンモグラフィー検査は、乳房を挟むように圧迫しながらX線撮影を行う検査です。乳房を薄く均一に押し広げることで触れないような小さな病変を見つけることができます。
 当センターではトモシンセシス(断層画像)を搭載したデジタル3Dマンモグラフィー装置を導入しています。トモシンセシスは、薄いスライスに画像を再構成することで乳腺の重なりを少なくし、より精度の高い画像情報を得ることができます。
 当センターでは検査の性質上、基本的に女性技師が撮影を担当しています。

歯科用パノラマ撮影

 歯科用パノラマ撮影は顎の骨と歯の並びを平面に展開した像として撮影することができる歯科独特の撮影法です。撮影は頭部と顎を固定した状態で装置がその周りを回転する形で行います。撮影時間はおよそ7秒ほどです。この撮影で、歯の並びや歯根の状態などが分かります。
 当センターの装置はこのパノラマ撮影のほかに、歯の矯正治療の際にかみ合わせを見る頭部X線規格写真(セファログラム)を撮影する機能も搭載されています。

骨塩定量検査

 骨塩定量検査は骨密度を測定するもので、当センターでは2種類のエネルギーピークを持ったX線を骨に照射して透過するエネルギーの減衰から骨塩量を測定するDEXA法(Dual Energy X-ray Absorptiometry)を用いた装置を使用しています。測定する部位は腰椎および大腿骨です。測定結果は数値およびグラフで表され、年齢における骨密度の程度が分かります。

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