○高島市議会基本条例
平成27年12月21日
条例第53号
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議会および議員の活動原則(第3条―第5条)
第3章 市民と議会の関係(第6条)
第4章 市長等と議会の関係(第7条―第11条)
第5章 議員間における討議の充実および政策形成(第12条・第13条)
第6章 委員会活動(第14条)
第7章 政務活動費(第15条)
第8章 議員の政治倫理、定数および報酬(第16条―第18条)
第9章 議会および議会事務局の体制整備(第19条―第23条)
第10章 条例の位置付けおよび見直し手続(第24条・第25条)
付則
前文
私たちのまち高島市は、琵琶湖の北西部に位置し、古来から京都や奈良の都と北陸を結ぶ交通の要衝として栄えてきました。
平成17年1月1日に6町村が合併し市制が施行される中で、地方分権改革が進められ、地方自治体には、自らの判断と責任において地域の実情に沿った行政を展開していくことが期待されています。
高島市政は、市民から代表として選ばれた議員で構成する高島市議会(以下「議会」という。)と、同じく市民の代表として選ばれた高島市長(以下「市長」という。)との二元代表制の下で、それぞれが市民の信頼と負託に応える役割と責任を担っています。
議会は、多様な市民の意見を反映し、議事機関として最良の意思を決定することで、市民福祉の向上はもとより、市政のさらなる発展を目指していくことが求められています。
そのため、議会はこれまで以上に公平で公正かつ透明な議会運営と市民にとって開かれた議会づくりを推進し、その権能を最大限に発揮できるよう議会の役割と責任を再認識するとともに、不断の議会改革に努めていくことを決意し、ここに議会の最高規範として高島市議会基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、二元代表制の下、合議制の機関である議会の担うべき役割を明らかにするとともに、議会および議員の活動原則その他の議会に関する基本的事項を定めることにより、公平で公正な議会運営を図り、もって市民福祉の向上と市政の発展に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 議会は、市政の最高意思決定機関であることから、議会の構成員である議員それぞれが、その責任を自覚するとともに、市民の意見を踏まえ、公正な議論を尽くし、真の地方自治の実現に全力で取り組むことを基本理念とする。
第2章 議会および議員の活動原則
(議会の活動原則)
第3条 議会は、前条の基本理念に従い、次に掲げる原則に基づき活動する。
(1) 議会が市民を代表する議決機関であることを自覚して公平性、透明性および信頼性を重視し、市民本位の立場から、市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)による市政運営が適正に行われているかを監視するとともに、評価を行うものとする。
(2) 市民に対し、議会活動の積極的な情報公開および情報提供に努め、開かれた議会を目指すものとする。
(3) 市民の多様な意見、要望等の把握に努め、政策立案および政策提言に積極的に取り組むものとする。
(4) 議会が言論の府であること、および合議制の機関であることを認識し、議員相互間の議論を尽くして合意形成を図るよう努めるものとする。
(議員の活動原則)
第4条 議員は、市民の代表者として、次に掲げる原則に基づき活動を行うものとする。
(1) 議会の構成員として自己の資質を高めるとともに、市民の代表者として市民福祉の向上を目指し活動するものとする。
(2) 議員相互間の議論を尽くすものとする。
(3) 市政全般に関して市民の多様な意見を的確に把握するよう努めるものとする。
(4) 自己の議会活動について、市民に対する説明責任を果たすものとする。
(会派)
第5条 議員は、議会活動を行うため、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で、会派を結成することができる。
2 会派は、政策立案および政策提言のために調査研究を行い、必要に応じて会派間で相互に協議および調整に努めるものとする。
3 議長は、必要があると認めるときは、会派の代表者の会議を開催することができる。
第3章 市民と議会の関係
(市民参加および市民への情報提供)
第6条 議会は、市民参加を促すため、議会の活動に関する情報を多様な媒体を用いて市民に提供して透明性を高め、市民に対する説明責任を果たすものとする。
2 議会は、市民に開かれた議会運営に資するため、本会議ならびに常任委員会、議会運営委員会および特別委員会(以下「委員会」という。)を原則として公開するものとする。
3 議会は、前項の本会議および委員会を除くその他の会議についても、公開するよう努めるものとする。
4 議会は、議案に対する議員の賛否および議決内容について、定期的に公開するものとする。
5 議会は、本会議および委員会において、公聴会制度および参考人制度を十分に活用して意見等を聴き、議会の政策形成に反映するよう努めるものとする。
6 議会は、議会活動を報告するとともに、市民の意見を聴く場として、定期的に議会報告会を開催するものとする。
第4章 市長等と議会の関係
(市長等と議会の関係)
第7条 議会は、市長等との立場および機能の違いを踏まえ、二元代表制の下、その役割を果たすために市長等との緊張ある関係を構築し、行政運営について監視および評価を行うとともに、政策立案および政策提言を通じて、市政の発展に努めなければならない。
(確認の機会の付与等)
第8条 市長等は、本会議および委員会における質疑および質問に対し、その趣旨を確認するため、議長または委員長の許可を得て発言することができる。
2 議長は、議員または委員会による条例の提案および議案の修正の提案に対し、市長等が意見を述べる機会を与えることができる。
(政策の形成過程の説明)
第9条 議会は、市長等が提案する重要な政策、計画、事業等(以下「政策等」という。)について、議会審議において論点を整理し、政策等の水準の一層の向上を図るため、政策等を提案する背景や経緯、財源措置、将来負担等について、適切な説明や資料の提出を求めることができる。
(予算および決算における説明資料)
第10条 議会は、予算案および決算の審議に当たっては、市長に対し、政策または事業ごとに分かりやすい説明資料の提出を求めることができる。
(議決事件の追加)
第11条 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項の規定に基づき、市政に関する重要な計画等について、議会の議決すべき事件として別に条例で定めるものとする。
第5章 議員間における討議の充実および政策形成
(議員間の討議)
第12条 議員は、議会が議員による討議の場であることを認識し、本会議および委員会において、議員間の十分な討議を尽くし、合意形成に努めるとともに、その経過および結果について市民への説明責任を果たさなければならない。
2 議長および委員長は、議員間の討議が積極的に行われるように当該会議の運営に努めなければならない。
(政策立案および政策提言)
第13条 議会は、議員間の討議を尽くし、意見集約がなされた内容について、条例の提案、議案の修正、決議等に向けた政策立案を行い、または市長等に対し、政策提言を行うものとする。
第6章 委員会活動
(委員会の運営)
第14条 委員会は、委員会の専門性および特性を生かした適切な運営に努めなければならない。
2 委員会は、所管に係る市政の課題について、議案等の審査、所管事務の調査および政策等の提言を行うよう努めなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、委員会について必要な事項は、別に条例で定める。
第7章 政務活動費
(政務活動費)
第15条 会派または議員は、政務活動費を適正かつ有効に活用し、積極的に市政に関する調査研究を行わなければならない。
2 会派または議員は、公正性および透明性の観点から、政務活動費に係る収支報告を市議会ホームページ等で公開し、説明責任を果たさなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、政務活動費について必要な事項は、別に条例で定める。
第8章 議員の政治倫理、定数および報酬
(政治倫理)
第16条 議員は、市政が市民の負託によるものであることを認識し、その負託に応えるため、政治倫理の向上と確立に努め、常に良心に従い、誠実かつ公正にその職務を行わなければならない。
2 前項に定めるもののほか、議員の政治倫理について必要な事項は、別に条例で定める。
(議員定数)
第17条 議員の定数は、効率的かつ能率的な議会運営の視点からだけでなく、市民の代表である議会が、市民の意思を市政へ十分に反映させることが可能となるように定められなければならない。
2 議会は、議員の定数の改定に当たっては、市民の意向を把握し、その適切な反映に努めなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、議員の定数について必要な事項は、別に条例で定める。
(議員報酬)
第18条 議員報酬は、経済情勢、本市の財政状況および類似する他市の議員報酬を勘案するとともに、議員の活動状況を反映し、定めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、議員の報酬について必要な事項は、別に条例で定める。
第9章 議会および議会事務局の体制整備
(議会改革の継続的な取組)
第19条 議会は、社会環境、経済情勢等の変化により新たに生ずる市政の課題に適切かつ迅速に対応するため、この条例の理念に基づく議会改革に継続的に取り組むものとする。
(議員研修の充実)
第20条 議会は、議員の資質ならびに政策形成および立案能力の向上を図るため、議員研修の充実およびその強化に努めるものとする。
(議会広報の充実)
第21条 議会は、多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。
(議会事務局の充実)
第22条 議会は、議会の政策形成能力を高め、円滑かつ効率的な議会運営を行うため、議会事務局の調査、政策法務等の機能の充実に努めるものとする。
(議会図書室の充実)
第23条 議会は、議員の調査研究に資するために設置する議会図書室を適正に管理し、その図書、資料等の充実に努めるものとする。
第10章 条例の位置付けおよび見直し手続
付則
この条例は、平成28年1月1日から施行する。
付則(平成28年12月9日条例第37号)抄
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。